国土地理院 古地図コレクション No.229 『銅刻 日本六十六州図』

迅速&強力な保護にむけて

洋の東西を問わず、優れたデザインが重要であることには多言を要しないでしょう。意匠はインダストリアルデザイン、つまり「工業的」デザインを対象としていますが、ここでの「工業的」とは「量産可能」といった意味であり、数の限られた美術品のようなものでなければ、日常目にするありとあらゆる物品が対象となりえます。意匠は実際には非常に身近なものです。

ところで意匠は外観によって容易に理解されるため、知財業務のなかで下位に置かれがちです。しかし条文を読めばわかるように、その権利は他の知財と同様に強力です。昨今、意匠の審査は非常に迅速であり、使いやすさや機能が外面的にあらわれてくる場合には、特許を申請するとともに意匠によって当面の保護を確立するといった戦略も有効です。もちろん、すぐれた創作には著作権による保護が期待できますが、早期に強い権利を確立できる点から見て、私たちは、意匠による保護はすべての創作に際して検討に値すると考えています。