国土地理院 古地図コレクション No.158 『大日本沿海略図』

小発明保護の新たなかたちを求めて

実用新案制度は幾つもの大きな改正を経て今日に至っています。審査制度から無審査制度へ。存続期間を10年から6年へ、また10年へ。保護の対象は考案、つまり物品の形状や構造に係る創作であり、これを簡易に保護しようという制度の趣旨は変わっていませんが、残念ながら実用新案の出願件数は特許の数十分の一しかなく、不人気と言わざるを得ません。実用新案制度の存在意義についても議論がかまびすしいところです。

しかしながら、取得した特許の大半が防衛的にしか機能していないような場合、実用新案による知財管理にも一考の価値がありそうです。私たちは、たとえば特許庁の端末を使った先行技術調査を活用し、有効性の高い権利を多く保有するなど、実用新案にはその迅速性を生かした、新たな知財戦略の構築に適した潜在的な可能性があると考えます。